Sotogofunコラム
夏の疲れで判断ミスが増える前に、スタッフ管理の「型」を整えておこう
飲食店経営者・店長向け実務コラム
お盆期間、疲労が経営判断を蝕む
スタッフの休シフト対応に追われ、原価管理の緩みが生じやすい時期です。
判断基準がブレると、現場の混乱につながります。
お盆休みのスタッフ管理、夏の原価高騰、熱中症対策—この3つが同時に襲いかかる8月中旬〜下旬。
多くの経営者が「なんとか乗り切ろう」という守りの姿勢になりがちです。
しかし、ここで大切なのは「守りながら仕組みを整える」という発想です。
疲労がピークの時期だからこそ、判断基準を仕組み化しておかないと、スタッフの裁量判断が増え、ミスや効率低下につながります。
実は、これは過去のコラム「飲食店繁盛の秘訣は『人×仕組み』」と共通する課題です。
優れたスタッフがいても、その力を引き出す仕組みがなければ、繁盛は続きません。
夏の疲労時こそ、その仕組みの強度が試されます。
課題1
スタッフの休み調整で人手不足
課題2
原価率が上がる季節
課題3
疲労による判断ミス増加
「型」を用意しておくことが、実は最大の効率化
改善を成功させるには「何をするか」より「どうやるか」という方法論が重要です。
これは過去のコラム「飲食店の改善を成功に導くためのポイント」の核心と同じ。
夏の疲労時こそ、この原則が活きてきます。
具体的には、以下の3つの「型」を事前に用意しておくことです。
01 シフト管理の判断基準
「この営業時間帯は最低何名いれば回るか」という基準を数値化しておく。
緊急時の代替案(営業時間短縮、メニュー絞込など)も事前ルール化する。
スタッフが「どこまで自分で判断していいか」が明確になると、報告・相談の質が上がり、経営者の負担も軽くなります。
02 原価管理の臨界値設定
夏は野菜・食材の相場が変動しやすい時期。
「原価率が35%を超えたら、このメニューは一時的に在庫がなくなったことにする」「この食材が〇〇円以上なら代替品を使う」といった決定ルールを作っておく。
毎日の判断が軽くなります。
03 熱中症・疲労管理のチェックリスト
営業前の「朝礼時の体調確認スクリーニング」や「営業中の水分補給タイムアウト」を仕組み化する。
スタッフ個人の判断に頼らず、店舗ルーティンに組み込むことで、予防と対応の質が上がります。
強みを伸ばすことから始めよう
疲労がピークのときに「すべてを完璧に」しようとするのは逆効果です。
そのかわり、「既存の強みを少しでも伸ばす」という発想が効きます。
これは過去のコラム「悪いところを見ることも大切だが良いところをもっと活かそう」の教えです。
たとえば、既に「原価管理が得意なスタッフ」がいるなら、その人に一時的に原価チェック業務を集約する。
「シフト調整が上手いスタッフ」がいるなら、その人に権限を委譲する。
こうすることで、チームの力を最大限に引き出しながら、経営者の疲労も軽減できます。
もし「そうした任せられるスタッフがいない」なら、それは次のステージへ向けた課題発見の機会です。
「飲食店経営者のための相談のススメ」で述べた通り、専門家に相談することで、採用・育成の新しい視点が得られます。
明日から確認する項目
現場で使えるチェックポイント
- 現在のシフト基準が「経営者の頭の中」だけになっていないか
- 原価高騰に対応する「判断ルール」が文書化されているか
- スタッフの体調把握が「気分」ではなく「チェックリスト」で行われているか
- 任せられるスタッフがいるなら、その人の強みを改めて言語化できているか
次のステージは「仕組みから始まる」
夏バテで自分もスタッフも疲れている時期は、つい「今月を乗り切ること」に意識が向かいます。
しかし、その最中に「判断基準を仕組み化する」という小さな投資をしておくだけで、秋以降の経営がグッと軽くなります。
明日は、まず1つ。
自分が毎日判断している業務を1つ選んで、その判断基準を「スタッフ誰でも使える形」に言語化してみてください。

