梅雨時期からの人材育成
スタッフが進んで動く目標設定の3つの柱
梅雨時期は集客が落ちるからこそ、スタッフの育成期間にする。繁忙期に向けた目標を「今月」に共有すれば、スタッフのモチベーションと技術が同時に上がります。
なぜスタッフは目標を聞いても動かないのか
「今月の売上目標は○○万円です」「皆力を合わせて頑張りましょう」。こうした掛け声は、実はスタッフに響きません。理由は単純。目標が「店舗の都合」であって、スタッフの「実感」がないからです。
スタッフが動く目標とは、「お客さんが何を求めているのか」「自分たちの商品に何が足りないのか」を本人たちが理解した状態です。つまり、商品と顧客の関係を先に見せることが、目標の有効性を高めます。
参考記事『家庭で体験出来ないウリの商品をつくろう』で触れているように、飲食店の仕事は「家では食べられない価値」を届けることです。スタッフがこれを腹落ちさせれば、梅雨時期でも集客減を補う提案力が生まれます。
閑散期に「目標の背景」を共有する3つのステップ
顧客ニーズを言語化する
「次の繁忙期、どんなお客さんが来るか」をスタッフ全員で考えさせる。過去の繁盛パターンを事例に、『鰻は脂が重いから、付け合わせで「さっぱり」を求める』といった具体的なニーズを引き出します。
メニュー開発に巻き込む
顧客ニーズに対応する新商品を、スタッフ案を吸い上げながら開発する。「君たちのアイデアが、夏の売上を変える」と実感させることで、販売時の説得力が劇的に変わります。
売上に紐付ける
「新商品が1日20食売れれば、月間○○円の売上、利益が〇〇円それが給料の原資になる」と、スタッフの行動と経営数字をリンクさせる。給与や賞与と結びつくことで、目標が他人事から自分事になります。
梅雨時期の「原価上昇」をスタッフと共有する現実的な視点
梅雨時期は食材原価が上がります。これはネガティブな情報ですが、スタッフに隠してはいけません。むしろ「原価が上がった今こそ、提案力が必要」という理由で、新商品や客単価アップの施策を共有する契機にしましょう。
参考記事『ランチメニューはこう考える』で触れたように、商品構成は店舗の「特徴」を反映させるべきです。原価上昇を理由に、家庭では出せない高付加価値商品にシフトさせることは、実は理にかなっています。スタッフも「単なる値上げ」ではなく「品質向上」として理解しやすくなります。
今月中にチェックすべき項目
- スタッフと一緒に「次の繁忙期の顧客ニーズ」を言語化した か
- 新商品のコンセプトにスタッフの意見を3件以上取り入れたか
- 売上目標を「1日何食」という具体的な数字で共有したか
- 原価上昇に関する説明会を実施し、スタッフからの質問を吸い上げたか
- 新商品を実際に試食し、スタッフが自信を持って説明できる状態にしたか
スタッフが進んで動く土台は、今月作る
「バイトが急に来なくなった」という悩みは、実は労務管理だけの問題ではありません。仕事に実感や成長感がなければ、スタッフはモチベーションを失います。逆に「自分たちのアイデアが売上を動かす」という体験は、最高の退職対策です。
梅雨時期は集客減の季節ですが、スタッフ育成の黄金期でもあります。次の繁忙期に向けた目標を「商品」と「顧客」の関係から組み立てることで、スタッフの主体性と技術が同時に高まり、繁盛期を迎える準備が整います。
明日の実行:スタッフ全員とランチ時間に「次の繁忙期、お客さんは何を求めているか」を10分間話し合う。その意見を商品開発に反映させる計画を立てる。

