飲食店が把握している原価は食材原価が多いですが、様々なコストが増大する今は
製造原価もポイントを抑えてチェックする必要があります。
おはようございます!
飲食店のコンサル・実践運営アドバイザーの小島です。
食材原価はこのコストが大きく変動している今、
多くの飲食店がある程度把握していると思います。
まだ、把握していない方、どうすればよいのかわからない方はご相談くださいね。
しかし、今の情勢をみると食材原価だけをみてメニューを設計するのでは
小島は足りないと考えています。
もう一歩踏み込む必要があると思います。
それは製造原価。
あまり、飲食店の方は聞きなれないかもしれませんが
製造業では多く使用されている数字となります。
簡単に言うと製造原価はその商品を製造するためにかかった経費のことを指します。
製造原価=材料費+労務費+その他経費
厳密にいえばこれらも直接と間接にわかれますが
そこまで煩雑にしなくてもよいです。
食材原価と比較すると
大きく異なるのが労務費とその他経費がプラスされることですね。
包材も材料費に含まれますが
店内ですとほぼイコールかと思います。
そして、その他経費は材料費と労務費以外の経費なので
水光熱費も含まれます。
ここも細かくなりすぎるので置いておきましょう。
となると見ていただきたいのが労務費となります。
労務費は商品の製造に関わって実務作業を行った従業員の賃金のことです。
ここがポイントです。
昨今、人件費が上がり続けています。
そしてこれは今後下がることはないと考えられます。
ちょっと話はそれますが大事なことなので下記をお伝えします。
バイト求人ネットによると1978年から2022年までをみると時給は3倍になってします。
2022年/令和4年度 961円
1978年/昭和53年度 315円
毎年、3%程度上がっている形となります。
そうした中、日本の所得増えていません。
厚生労働省HPより https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/17/backdata/01-02-01-01.html
これは正規雇用が減り、アルバイト・パートなど非正規雇用が増えたことによります。
所得は増えずに、物価は35年前より2割上がっています。
税金も上がり続けているので
実際に使用できる金額は減っていることになります。
正規雇用と非正規雇用の賃金の差が少なくなっている。
これが現状です。
飲食店はその業務内容から
1日の中でも必要な人数が大きく変動します。
そうなると売上に応じた人の配置が必要になるので
非正規雇用の比率が多くなります。
そこで非正規雇用の賃金が上がると
経営に大きく影響を与えます。
これが今の飲食店の大きな課題です。
今までは正規雇用と非正規雇用のバランスがとれていたお店でも
ここ最近はコロナ禍もあり、そのバランスが崩れたのではないでしょうか?
毎年3%程度あがる時給。
一言で言うと商品を製造する人件費も上がっていることになります。
例えば、
わかりやすい例で言うと
焼鳥1本串打ちするのに30秒かかるとします。
時給が1200円とすると、1分で20円なので
30秒で10円の人件費がかかっています。
また、餃子を1000個製造するのに
2時間かかるとします。
その場合、時給1200円だと2400円人件費がかかり、
1000個製造できるので
1個当たり、2.4円の人件費がかかります。
これらに材料費を足して製造原価とします。
注文が入って販売に使用する人件費は、
別として販売管理費としてみることで
その商品の製造原価を把握できます。
もし、この製造原価の労務費にあたる人件費がかかりすぎる商品があれば
それは外注も検討する必要もあります。
ただし、それがお店のコンセプトに関連する場合は
慎重に検討する必要があります。
例えば、ラーメン店で
自家製麺がウリなのに
外注してしまうと客離れを引き起こしてしまいます。
しかし、ウリではないチャーシューを外注して
同じ厚さ、gにカットしてもらえれば
原価の安定と製造原価を下げることも可能です。
特に仕込みに時間がかかりすぎるのに
ウリになっていない商品などはチェックする必要があります。
そして、見直すことで本当にこの作業は必要なのか?
お客様が仕上げるポテトサラダのように
ここをカットしないでそのままで提供したら
逆にお客様は喜ばれるのではないか?
こうしたヒントを見つけられるかもしれません。
今日は食材原価だけでなく製造原価をみて
新しい角度から商品構成、設計を考えてみてくださいね。
かけるところには人件費をかける。
かけないところには人件費をかけない。
このメリハリが重要です。
それでは一日一改善で顔晴りましょう(^^♪