「原価が上がったら値上げ」で本当にいい?

Sotogofunコラム

「原価が上がったら値上げ」で本当にいい?

飲食店経営者・店長向け実務コラム

食材の仕入れ値が上昇する時期だからこそ、「値上げ」という単純な決定が落とし穴になります。梅雨から初夏にかけて、顧客の来店心理は大きく変わっています。

梅雨時期の集客減は「季節」ではなく「顧客心理」の変化

梅雨時期に集客が減るのは天気のせいだと考えていませんか。実際には、顧客の購買心理が変わっているんです。

現場で使えるチェックポイント

  • ●気分が沈みやすく、新規開拓への動きが鈍くなる
  • ●既知の店舗への来店頻度は変わらないが、値上げで離脱するリスクが高まる
  • ●「同じ価格でいいから来店したい」という心理が強い時期

この時期に値上げを実行すると、気分が沈んでいる顧客は「いつもより高いなら、今月は来なくていいか」と判断しやすくなります。これが梅雨の集客減を加速させます。

梅雨・夏の価格戦略:3つの選択肢

「原価が上がった=値上げ」という発想から脱却することが、梅雨の集客減を防ぐ鍵です。以下の3つの戦略から、自店に合ったものを選びましょう。

01 セット割・季節限定メニューで実質値上げを回避

「梅雨応援セット」「初夏の涼み丼セット」など、季節感のある組み合わせで利益率を上げながら、顧客は「お得感」を感じます。原価を吸収しつつ、来店動機を作られます。

02 ポーション調整で原価を吸収

価格を据え置きながら、無駄な量を減らす。減らすというより適正化です。ただし品質低下の見え方に注意が必要です。

03 仕入先交渉・食材替えで原価圧縮

複数の仕入先から見積を取り直す、同等の品質で安い食材に替えるなど、根本的な原価削減。最も手間がかかりますが、継続的な効果があります。しかし、ただ安い業者との取引を続けると信頼を失います。継続的な取引が今後の仕入れに重要となります。

それでも値上げするなら—タイミングと伝え方が全て

セット割やポーション調整では追いつかない場合、値上げを選ぶこともあります。その場合は「梅雨時期」を避けることが必須です。

現場で使えるチェックポイント

  • ●梅雨明け(7月下旬)以降に実施する。夏の外出意欲向上を味方に
  • ●「食材の品質向上」など、顧客が納得する理由を用意する。「原価が上がった」では伝わらない
  • ●既存顧客には事前通知を。LINEやInstagramで「7月下旬よりメニューリニューアル」という形で予告
  • ●新メニュー投入と同時に値上げすると、「新メニューだから」という納得感が生まれやすい

チェック:明日から使える梅雨の価格戦略

現場で使えるチェックポイント

  • ☐現在の原価率を把握している(目安:飲食は30~35%)
  • ☐仕入先は複数から見積を取っているか確認した
  • ☐セット割・季節限定メニューで利益を上げる案を検討した
  • ☐値上げのタイミングを梅雨明け以降に設定している
  • ☐顧客への事前通知方法(LINE、店内貼り紙など)を決めた

梅雨時期の集客減は「季節の問題」ではなく、顧客心理と経営判断の問題です。原価上昇は事実ですが、その対応方法で売上の明暗が分かれます。「値上げして客を失う」のではなく、「価格を据え置きながら利益を守る」という発想の転換が必須です。

明日やるべきこと:自店の現在の原価率を把握し、セット割や季節限定メニューで吸収できる余地がないか検討しましょう。

詳しくはこちら

現場で使えるチェックポイント

  • → 「集客=売上アップ」は勘違い—既存客満足度が真の鍵
  • → 飲食店の「お店都合」突破術—顧客視点の重要性
  • → アドバイスの「つまみ食い」は経営を破綻させる—一貫性の必要性

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