飲食店経営 / スタッフ育成
梅雨から夏へ。月初ミーティングで決める「稼げるメニュー戦略」
土用の丑まで2ヶ月。その前に、あなたのスタッフは粗利益で商品を見ていますか?原価率だけで判断していると、夏の繁忙期に利益を失います。
梅雨時期は集客が落ちる。そこでオーナーは「安くしよう」「新メニューを出そう」と考えます。しかし多くの場合、その判断は「原価率」という一つの数字に支配されています。結果、低利益のメニューばかり増え、スタッフも「とにかく数を売る」というマインドで動く。夏に向けた繁忙期を迎える前に、このサイクルを断ち切る必要があります。
なぜ「原価率思考」では利益が残らないのか
原価率35%と30%という数字を比較すれば、30%の商品の方が効率的に見えます。しかし客単価1,000円と2,000円の商品では、粗利益額が全く異なります。
例:低価格商品
客単価1,000円 / 原価率35%
粗利益 650円
例:高価格商品
客単価2,000円 / 原価率40%
粗利益 1,200円
原価率は低いのに粗利益額は少ない。これが「安くしたのに利益が残らない」というオーナーの悩みの正体です。スタッフがこの違いを理解していなければ、彼らは数字を売るためだけに動き、あなたのお店の利益構造は破壊されていきます。
月初ミーティングで実行する「3つのステップ」
ステップ01 / 商品の役割を分類する
現在のメニューを「看板商品」「利益商品」「集客商品」の3つに分類します。看板商品は適度な粗利益で専門性を示すもの。利益商品は粗利益率が高く、客層によっては価格に納得するもの。集客商品は低価格で新規客を呼ぶもの。この役割分けをスタッフと共有することで、むやみに値下げする判断が減ります。
ステップ02 / 粗利益額を「見える化」する
売上と原価だけでなく、粗利益額をメニュー表やスタッフ用の資料に記載します。「このメニューを1品売ると、お店に1,200円残る」という感覚をスタッフが持つだけで、提案姿勢が変わります。月末の人時生産性を高めるには、スタッフが「何を売るべきか」を正確に理解していることが不可欠です。
ステップ03 / 土用の丑に向けた商品開発の基準を決める
梅雨時期の新メニュー開発では「粗利益額が見込めるか」を最初の判定基準にします。季節商品は回転率が限定的であり、原価率だけで判断すると「作ったが売れない」という事態に陥ります。土用の丑はターゲット(父の日・盛夏消費)が明確な時期。この2ヶ月で、粗利益を軸にした商品を準備することで、夏の繁忙期に安定した利益を確保できます。
月初ミーティングで確認すべきチェックリスト
明日のミーティングで以下を確認してください
- 現在のメニューを「看板・利益・集客」の3つに分類できているか
- 粗利益額をスタッフに周知する仕組みがあるか(資料・POS表示など)
- 土用の丑までに開発する商品の粗利益目標を決めているか
- 原価率ではなく粗利益額でメニュー提案する訓練をスタッフに実施したか
原価上昇時代だからこそ、粗利益で考える
食材の原価が上昇している今、「原価率を下げる工夫」だけでは生き残れません。同じ食材でも、どう商品化し、どの価格帯で売るかで粗利益は大きく変わります。低価格ランチ集客は一時的な繁忙をもたらしますが、利益と持続性を失う危険な戦略です。
6月の月初ミーティングは、7月・8月の繁忙期に向けた準備の分岐点です。スタッフが粗利益で商品を見る癖をつければ、自然と「稼げるメニュー開発」が進みます。土用の丑まであと2ヶ月。その前に、メニュー戦略の軸足を「原価率」から「粗利益額」に切り替えましょう。
明日やること
現在のメニュー表から粗利益額を計算し、看板・利益・集客の3つに分類。月初ミーティングでスタッフに共有する資料を1枚作成してください。
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