お知らせ

他人事ではない!食中毒

今週、火曜日5月26日発表がありました東京・三鷹での食中毒。
 
こども食堂に飲食店が提供したお弁当を 喫食した複数名が、
食中毒様症状を呈しました。


 
 
緊急事態宣言中に飲食店がお弁当を提供を始めることが
増加している状況がありました。
 
これもご注文頂いてからつくるお弁当なら、
比較的食中毒は少ないのですが、
今回のような作り置き弁当は
食中毒が発生しやすい
ので、このブログでも
複数回注意喚起を行っておりました。
 
ただ、今回60名の方が食中毒になってしまい、
残念でなりません。
 
私も、力不足で申し訳ございません。
 
 
ここで、ネットで結構叩いている方、多いのですが
この食中毒は『他人ごとではない』ということを
知ってもらいたいのでお伝えさせていただきますね。
 

食中毒の可能性はゼロにはできない

まず、第一に食中毒菌はそこら中にいます。
 
今回の食中毒菌はウエルシュ菌がメインですが、
ウエルシュ菌は、
普通に土壌や水中などにいます。
 
そして、空気がないところが好きで
加熱しても死滅しません。
 
ということは、加熱すると食品の中の空気が無くなるので
ウエルシュ菌にとって最適な環境になり、
温度が下がり発育に適正な温度になると一気に増殖します。
 
簡単に言うとこういう食中毒菌です。

詳細は→ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/micro/uerusyu.html

このウエルシュ菌は、牛、豚、ニワトリ、野菜などに多く存在します。
 
なので、よく野菜を洗うことは凄く大切といえます。
 
 
なので一般家庭でもウエルシュ菌が増殖する機会はたくさんあるということです。
 
カレーは2日目が美味しいといいますが、
常温化で翌日まで放置していませんか?
 
炊き込みご飯、作った後
粗熱をとるために長時間常温に置いていませんか?
 
そして、飲食店でも、カレーを始めているお店多いですが
そのまとめて作ったカレーを常温に置いて完全に冷ましていませんか?
 
煮込み料理もまとめて作って放置していませんか?
 
 
こうして考えると、食中毒菌の増殖の機械は
そこら中にあるということを知っておいて欲しいです。
 

ウエルシュ菌を増殖させないポイントとは?

前述でウエルシュ菌はどこにでもいる食中毒菌ということは
理解して頂けたかと思います。
 
大事なのは、食中毒菌を

  • つけない
  • 増やさない
  • やっつける

ということ。
 
まずつけないことに
野菜は良く洗うこと。
 
ウエルシュ菌は酸素が少ない水中も好みますので
流水でよく洗うことが大事です。
 
よく葉物を水に浸けておくだけを目にしますが
必ず流水でウエルシュ菌を洗い流してください。
 
そして、加熱しますが、このウエルシュ菌は熱を加えると
芽胞というバリアみたいなもので熱から守ります。
なので熱でやっつけることができません。
 
また、温度が下がると一気に増殖するので危険なのです。
12~50℃でも増殖し、
43~45℃がもっとも増殖する温度帯となります。
 
ちなみに100℃で6時間まで残存する菌です。
だからやっつけることより増やさないことが大切です。
 
そして、ゆっくりと冷却(常温保存など)すると55℃以下で
急速に増殖してしまうので、出来るだけ急速に
10℃以下まで下げるか、55℃以上を保つかで
増殖を抑えることができます。
 
このウエルシュ菌は発症には多くの菌量が必要で増やさないことが
この食中毒を起こさないために重要だと思います。

このウエルシュ菌のことを理解して頂いたと思います。


そして今回のお弁当の内容は、このようなものでした。

弁当
(だし巻き卵、ニンジンサラダ、ゆでスナップエンドウ、鶏肉(甘辛)、鶏肉(うす塩)、大根漬物、玄米入りごはん、貝のだし汁)、ホットケーキ、キウイ

どこからウエルシュ菌が検出されたかはわかりませんが、
提供の前々日から調理されているものがあることと、
調理後に常温化に長時間置かれるなど、ウエルシュ菌が増殖する機会があったということです。

野菜の洗浄不足が可能性では多いのか、
鶏肉料理がどんなものかはわからないので何とも言えませんが、
今回前々日に仕込みして常温で保存から、
漬物が原因かなと思います。
 
60食という量からも普段飲食店で
限られたスペースの中で製造するのに
冷蔵庫に入らないことも予想されます。
 
漬物は保存性が高いですがそれはphが低いことが理由に挙げられます。
厚生労働省の漬物の衛生規範としてひとつに
ph4.0以下(塩分濃度にもよる、他)ともあります。
 (ちなみに酢のphは2.5~3.5です。)
ただ浅漬けは微生物を抑制できないので、10℃以下の保存が必要です。
 

食中毒を起こさないためにHACCPに対応しよう

こうしたことを考えると、今年の6月から始まる
HACCPへの対応がとても重要になってくると思います。
 
HACCPは簡単にいうと「工程から危険を管理していこうよ。」
ということです。
 
HACCPは来年6月までに飲食店も全事業者が対応しなければなりません。
 
このことも先日公開した
『町の飲食店が通販サイトを自分でタダで作る方法』
https://hanjoukai.net/base-lp
の中でも詳しくお伝えしております。
 
ぜひ、ご覧いただいて食中毒からお客様やスタッフ、自分自身、
そして家族も守っていただけたらと思います。
 
今回のブログで食中毒が他人事でないことが
ご理解いただけたでしょうか?
 
どこのお店でも、どこのお家でも可能性はあるということです。
 
その中でリスクをどれだけ軽減できるか?
これが重要になってくる。
 
そして、作り置き弁当の危険性もお分かり頂けたと思います。
 
さらに20個以上のお弁当を一ヶ所に提供する場合は
保健所に相談してみてください。
製造業の許可が必要になる可能性があります。
 
(製造業のことも無料公開中の
『町の飲食店が通販サイトを自分でタダで作る方法』
https://hanjoukai.net/base-lp でお伝えしております。)
 
それだけ衛生管理が難しいということです。
 
今、コロナの状況下で安定しない売上のために
作り置き弁当をやらなければならないお店が多いと思いますが
この危険性を知って何をすべきかを考えて危険を取り除いていってくださいね。


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