揚げたて熱々の天ぷら、サクサクジューシーな唐揚げ… 飲食店にとって揚げ物は、なくてはならない人気メニューですよね。でも、その美味しさを支える「油」の管理、きちんとできていますか?
今回は、意外と見落としがちな「揚げ油の交換」について、その重要性と具体的な方法を詳しく解説していきます。
放置すると危険がいっぱい!酸化油のリスク
揚げ油は、高温で使用を繰り返すうちに酸化が進みます。酸化油を使い続けると、
- 料理の味が落ちる: 油の風味が悪くなり、せっかくの料理の味を損ねてしまいます。
- 見た目が悪くなる: 油の色が濃くなったり、泡立ちが多くなったりして、見た目が悪くなります。
- 健康に害を及ぼす: 酸化油には発がん性物質が含まれることもあり、お客様の健康にも悪影響を与える可能性があります。
- 酸化が進んだ油は胃もたれや胸焼けを引き起こし、お店の評判も落としてしまいます。
油交換のタイミング、迷っていませんか?
「油の色が変わったから」「なんとなく汚れてきたから」そんな理由で油を交換していませんか? 実は、油の交換タイミングを見極めるには、もっと確実な方法があります。
それは、「油脂劣化度判定試験紙」 を使うこと。この試験紙を使えば、油の酸化度を簡単にチェックできます。
酸価(AV) という数値を測ることで、油の劣化度合いを判断できます。
- 酸価0~2未満: 油の劣化はほとんどみられないので、安心して使い続けられます。
- 酸価2~3未満: 劣化が始まっています。早めに交換を検討しましょう。
- 酸価3以上: かなり劣化が進んでいます。使用を中止し、新しい油に交換しましょう。
揚げ処理中の油脂の酸価が2.5を超えたものは新しいものと交換をお勧めします。
(小島が大手とんかつチェーンにいた時は2.3だったと思います)
ちなみに油揚げの製品に含まれる油脂の酸価は3以下であること(農林水産省地域食品認証基準作成準則)
など基準もありますので気を付けたいところですね。
油を長持ちさせるコツ
油交換の頻度を減らし、コストを抑えるためには、日々のちょっとした工夫が大切です。
- こまめな油カス除去: 揚げカスは油の酸化を促進する原因となります。営業中もこまめに網ですくい取るようにしましょう。
- 適切な温度管理: 高温での調理は油の劣化を早めます。揚げ物の種類に合った適切な温度設定を心掛けましょう。
- 油量の調整: 油の量が少なすぎると温度変化が激しくなり、劣化を早めます。逆に、多すぎると新しい油を継ぎ足す頻度が減り、油が長持ちしません。適切な油量を保つようにしましょう。
- 空気に触れさせない: 使用後冷めた後は、空気に触れる時間を最小限に。
- 光を避ける: 直射日光は油の酸化を促進します。冷暗所で保管を。
- 毎日油を越す: 揚げカスがフライヤーの底にたまったままにしてしまうとドンドン脂が劣化してしまいます。毎日越すようにしてみてください。
油交換の頻度、どれくらい?
油交換の頻度は、
- 使用頻度: 毎日たくさん揚げ物をする場合は、それだけ油の劣化も早くなります。
- 油の種類: 酸化しやすい油、酸化しにくい油など、油の種類によっても交換頻度は異なります。
- 揚げる食材: 油の汚れやすい食材を揚げる場合は、こまめな交換が必要です。
などを考慮して決める必要があります。
一般的には、酸価が2を超えたらそろそろ交換 が目安となります。
試験紙を使って定期的にチェックし、油の状態に合わせて交換するようにしましょう。
お客様に「美味しい」を届け続けるために
揚げ油の管理は、飲食店にとって非常に重要です。油の状態を常に把握し、適切なタイミングで交換することで、
- 美味しい料理を提供できる
- お客様の健康を守れる
- お店の評判を上げられる
など、たくさんのメリットがあります。
少し手間かもしれませんが、油交換を徹底することで、お客様に「また来たい!」と思ってもらえるお店作りにつながります。
Sotogo fun では、飲食店に関わる皆さまが抱える悩みや課題を共有し、一緒に解決していく場を提供しています。
それでは一日一改善で顔晴りましょう(^^♪